金属アレルギー
チタンでの金属アレルギーと言っているひとがいますが、意外にもきちんとパッチテストを受けていない。なぜなら皮膚科にはチタンだけ項目がないのです。よっぽど試料を頼んで取り寄せないかぎりチタンの検査はできないし、まずなされていません。
アレルギーというよりも、皮膚が敏感すぎて、樹脂でもアレルギー反応のような皮膚疾患を起こすというタイプの方がいらっしゃいます。
ですから金属でなくとも麻のひもでも、革でもアレルギーのようにぶつぶつしたり赤みをおびたりかゆいという方。石鹸の残留もありますし、いちがいにチタンとは特定できないのですが、思い込みでチタンアレルギーと書いているかたが大半です。
皮膚は乾燥すると自分を守れなくなるので、常に潤っていないといけないのですが、皮膚のデリケートな方はだんだん皮膚のトラブルに慣れっこになってしまって放っておくという共通の傾向が見られます。
皮膚の丈夫なひとが、ほんのちょっとでも一部かさかさしたり、赤らんだらすぐにあれ?どうしたんだろう、いつもは真っ白いところが今日は赤い、、、となるわけですが、多少赤くてかさかさしてもかゆくてもさらにかいてしまうということの繰り返しになりがちです。そしていつもの赤みという事に慣れて、悪化していく悪化スパイラルになっています。
薬はそのためのものだと思いますが、あまり薬に頼らないひとほど、どんどん長引く傾向にあります。
皮膚にまったくトラブルがない状態というのが想像しにくくなっていて、皮膚の敏感なひとは常に皮膚疾患ということになっていきます。
チタンでもアレルギーが出てしまうということはありません。ひとによって、体質によってはチタンでもアレルギーが出るかもしれないといった想像をするかもしれませんが、チタンはヒトのたんぱく質に反応できない金属です。
厳密に言うと、酸素がある環境では、ヒトに対して反応できません。したがってアレルギーも起きえません。チタンは毎日使う歯磨き粉にも入っています。洗濯機からもチタンイオン、冷房、空気清浄機もチタンパワーです。実際にチタンアレルギーであれば歯磨きでも口の中がトラブルになっているはずなのです。
注射針も骨折のときのボルトもだめとなれば本当に命取りですが、なぜか安易にジュエリーに関して実態とかけ離れたチタンアレルギーとか金属アレルギーというワードだけが飛び交っているようです。