titanと皮脂

チタンの表面は顕微鏡でみると多孔質で、皮脂が付着しやすい性質があります。そしてチタンの表層にはすでに酸素と触れているため酸素分子吸着層が成膜された状態になっているのがふつうです。その結晶のような酸素分子吸着層は光の反射を変えます。そこに油膜がつくと、さらに反射を変え、跳ね返された光が網膜に届くと変わった?と見えたり角度によってさらに不安定になって認識されます。ひとによって見え方も感じ方も変わるファジーな色です。

マットな仕上がりのつやのない平面に指紋がついたり、触ったときの手などのあぶらがつきますと、なぜかそこが茶色く変化して見えるので変色したような気になるのですが、実はひかりのくっせつが変わったことで茶色がかったように網膜に映ります。私たちはそれを時間の経過とともにチタンが変色したと誤解するのですが、実際にチタンはそう簡単に変質したり酸化したりするものではありません。

茶色っぽく見えるのはチタンの干渉する特徴のせいで、皮膜が作られると黄色っぽく見えるのです。ですから脂分を落とせばそれはなくなりもとのチタンの地金の色に戻るわけです。

そこで清掃用のアルコールでチタンを拭いてみるという発想がでてきます。

結果、アルコールでチタンが変色する心配をする方もいますが、チタンを変色させることはできません。ただし、皮脂による汚れは取り除けるでしょう。ただしアルコールには無水アルコール、消毒用アルコールがあります。そして酒税に関係してくるため、添加物の配合により飲用または違法な酒類製造原料に流用される恐れがないと政府が認めた場合には、酒税加算額が免除される場合があります。消毒用エタノールに酒税が掛けられますと、その分高くなります。
ただし、イソプロパノールが加えられていると飲用できないので、酒税が免れるため比較的安価になります。
薬局で器具の消毒に使われているアルコールは、イソプロパノールが添加されているものが多いです。そうしたアルコールが蒸発したあとに添加物が残存し、それで光の反射が変われば、またわたしたちの網膜はチタンの色の変化を感じ取ることにつながります。

資料

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